歯と口の健康週間にむけて ~小集団指導~

 本学院の歯科保健指導では、毎年6月の歯と口の健康週間の時期に合わせて2年生が小集団指導実習を行っています。この実習は尼崎市、神戸市、明石市、三木市、姫路市の保育所、幼稚園、小学校、特別支援学校、高齢者施設、また明石市、川西市、東灘区の歯科医師会イベントに赴き、人形やペープサート(紙人形劇)を媒体として使用し多くの人々の口腔への理解を深め、ブラッシングの大切さを伝える臨地実習です。
 まずは、座学で集団指導の総論を学んだのち、幼稚園班、小学校班、高齢者班などの班分けを行い、班長、副班長や会計係、媒体係、原稿係などの役割分担を決めます。
 次に、昨年度の評価内容を踏まえて各班の指導内容に合わせた人形劇、人間劇、ペープサートなどの媒体およびキャラクター決めと原稿作成に取り掛かります。この原稿作成は時間配分や起承転結を考え、各集団に関心を持ってもらえるよう、途中にクイズや問いかけを入れる工夫を加え、年齢に応じた言葉選びを行うなど、細かい配慮が必要なとても難しい作業の1つです。
 そして、原稿を覚え実際に媒体を動かす練習を何度も重ね、それと並行してブラッシング指導の練習もしていきます。この小集団指導は学生たちが初めて多くの人の前に立ち、コミュニケーションの難しさを知り反省や改善を行い、上手くいったときの充実感を感じるという学内では経験できない貴重な実習となります。
 本年度、新型コロナウイルスの影響で行事の延期や中止が相次ぎ刻一刻と状況が変化する中、原稿作成中の現時点では小集団指導実習がどのような形で行われるのかわかりませんが、感染拡大防止に取り組みつつ学生が少しでも小集団指導を経験できるよう努めていきたいと思います。
(専任教員 篠原理恵)