消防訓練 ~万が一に備える~

水消火器による消火訓練

水消火器による消火訓練

 本校では、年に1回、秋に消防訓練を行っています。今年は10月8日に実施しました。毎年行う恒例行事ではありますが、今年は京都のアニメ制作会社の放火による大惨事も記憶に新しく、より気を引き締めて臨みました。
 訓練は“2階第2実習室から出火”という設定で、まず火災発見者が火災の発生を周囲に大声で知らせるところから始まります。その後、火災ベルが鳴り響き、非常放送で火災の発生場所が全館に放送されます。直ぐに消防署(119番)に連絡し、初期消火に向かいます。学生は出火場所を考えながら教員誘導の元、すばやく館外へ避難します。2階東屋外階段、1階南屋外階段から歯科医師会館東館地下駐車場までが避難経路となります。普段使用していない非常扉や非常階段を使い避難するため、思った以上に時間がかかります。教員は、落ち着いて避難するよう声掛けを行い迅速かつ安全な避難経路を誘導していきます。避難の時には、普段見ることのない、2階から1階へ降りる吊り下げはしごや、避難器具の確認もします。学生のなかには、吊り下げはしごの高さや不安定さに驚いている者もいました。地下駐車場に避難すると、点呼を行い、全員そろっているか、けがはないか確認を行い、避難完了となります。
 次に、水消火器を使用しての消火活動を行います。初めは苦戦していたものの、消火先を炎ではなく火の根元を狙うなどの説明を受けることで、すぐに感覚をつかんでいました。使い方を聞くだけでなく、実際に体感してみることが肝心だと改めて実感しました。
 その後、毎年来ていただいている佐藤神戸市中央消防署消防士長から、化学繊維やプラスチックの過熱による有毒ガスを吸引することの危険性、私たちが日常生活で使用しているヘアスプレーがどのような状況下で爆発して大惨事を引き起こすのかなど、身近に使用しているものの危険性について映像を提示していただきながらお話しいただきました。
 最後に、学年ごとに分かれ、煙ハウス体験と避難ハシゴや非常ベルなどの設備確認のスタンプラリーを行いました。煙ハウス体験は3年前より導入した火災訓練であり、実際に火事に巻き込まれた際に慌てずに避難できるよう火災現場さながらのテント内で行います。煙で見づらい中での移動の不自由さや、煙を吸引しないための体勢など肌で感じることができたと思います。
 訓練を毎年行うことにより、万が一に備えた準備ができます。教員としても、お預かりしている大事な学生たちを、非常時に安全・確実に誘導し避難させることができるよう、必要な機会だと感じています。特に大人数の集まる場所では、身勝手な行動が大惨事になり兼ねません。いざという時にパニックを起こさず他者と協力し安全・確実な避難ができるよう年1回の訓練を大切にしていきたいと思います。
(教務主任 小村照代)