学院学会 ~求められる歯科衛生士をめざして~

 第50回学院学会が9月3日(日)に開催されました。今回は、なかたに歯科クリニックの菅敬江歯科衛生士(本校41回生)による「歯周病治療からみえる患者さまとの関わり方」、奥村歯科医院の谷口万希子歯科衛生士(本校34回生)による「インプラント治療における歯科衛生士の役割」、そして特別講演として、大川玲奈大阪大学歯学部附属病院小児歯科講師・外来医長による「母親と子どもの歯科保健に対する歯科衛生士の重要性」の3題をご講演いただきました。
 菅歯科衛生士からは、一般のかたがたが歯科医療に対してどのように思っているのかの意識調査の結果をもとに、患者さまとコミュニケーションをとる上で歯科衛生士に求められること、コミュニケーションの大切なポイント、そしてコーチングについてご自身の体験を交えながらお話しいただきました。谷口歯科衛生士からは、インプラント治療で行われる種々の工夫を臨床例とともに解説していただき、長期予後の安定を計るためには、高度な技術や知識とともに優れたコミュニケーション能力が歯科衛生士に求められることをお話しいただきました。そして、特別講演では、大阪大学歯学部附属病院小児歯科に設けられている「一般外来」に加え「マタニティ歯科外来」「骨系統疾患外来」の専門外来から小児歯科領域における歯科衛生士が担う重要性についてご講演いただきました。「一般外来」では、う蝕治療を行う前に母親と子どもを対象とした集団口腔衛生指導を行っており、母親教室で使用されている資料を用いて歯科衛生士として指導する際のポイントをお話しいただきました。「マタニティ歯科外来」では妊娠中から出産後の口腔内の変化や乳幼児に対する口腔衛生指導、「骨系統疾患外来」では骨系統疾患を有する小児患者の対応、特に低ホスファターゼ症について最新の情報をご教授いただきました。
 1年生は、初めて学会に参加する学生が多数いましたが、臨床現場で活躍する先輩の姿や今後学習していかなければいけない専門的な最新の知識を得て歯科衛生士の具体像がイメージできたと思います。2年生は臨床科目の講義が始まっているので、今回の講演と講義内容がリンクして、より理解を深めることができたのではないでしょうか。そして、3年生は現在、臨床実習期間中なので歯科衛生士に求められる役割について再認識でき、非常に興味深く聴講することができたと思います。
 年に1回の本学会ですが、卒業生として活躍する先輩の姿は在校生にとって非常に励みになり、学習意欲の向上に繋がっています。また、私たち教員にとっても卒業後も常に向上心を持ち、自己研鑚に努め、いきいきと発表している卒業生の姿は非常に頼もしく嬉しく思います。社会に出た学生が先輩たちに続き、求められる歯科衛生士となるように、今後の学生生活をしっかりサポートしていきたいと思います。
(専任教員 難波恵子)