救急蘇生 ~緊急時の対応ができる歯科衛生士を目指して~

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胸部圧迫を行う学生たち

 入道雲が空いっぱいに広がる8月、3年生(46回生)は救急蘇生の講習を受けました。この講習は、神戸市消防局(市民防災総合センター)から本学院に出張講習に来て下さるというもので、神戸市が「市民救命士」を養成するために実施しているものです。講習会の種類は4コースあり、その中の1つの「普通救命コースⅠ(3時間)」を受講しました。1回の講習定員が、40人以下となっているため87人の学生を3グループに分け、全3日間を費やし、延べ11人の指導員に来校していただき講習を実施しました。
 講習会は、市民講習会の流れに沿って、初めにDVD「救急車が来るまでに」を使用し、呼吸や心臓が止まった時に必要なAEDを含めた応急手当などを学びました。その後、事前に決めておいたグループに別れ、各グループの指導員(市民防災総合センター市民防災係研修員)によるテキストを使用しながらのより具体的な講習と実践を行いました。指導員の真剣で冷静なそして緊迫感のある口調での講習に、学生たちも緊張感を漂わせ、表情も真剣そのものでした。実習も、全員が必ず実践するということになっており、少し照れもあったと思いますが、マネキンを相手にしっかり声を出して、胸部圧迫を行い、流れに沿ってAEDを用いた心肺蘇生法を実践しました。
 近年、歯科衛生士も他職種との連携やチーム医療の一員として、なくてはならない存在となってきています。そこで、医学的知識はもちろんですが、いかに日常的に活用できるかが求められるようになってきたと思います。新人の歯科衛生士として巣立つ本学院学生たちも、少しでもこうした実践的な技能を習得しておくことを目指しています。
 今回、夏期休暇中に登校しての講習でしたが、1人の欠席者もなく、全員登校して受講したことは学びに対する意欲が備わってきたのではないかと思っています。
 この講習で学んだことは、今では誰にも求められる人命救助術かもしれません。しかし、歯科衛生士を目指す学生たちは、さらに高いレベルで考え、行動できるようになって欲しいと思います。そして私たち教員も、いつでもどこでも冷静に正しい判断と行動ができる学生を育てていきたいと思います。
(専任教員 肥塚美奈子)