超音波スケーラー・エアスケーラー・歯面研磨相互実習 ~スキルアップを目指して~

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実習風景

 2年生(46回生)は昨年の11月〜12月にかけて術者・補助者・患者の3交代制で超音波スケーラーとエアスケーラー、歯面研磨の相互実習を行いました。施術時間は50分間と決められており、最初の口腔内所見の観察では、補綴物や歯肉の状態、歯石の沈着状態を把握したのち、3回の施術による変化を読み取り、同時に正確な操作方法を学びます。実習ではあらかじめ自分達で事前の座学で学んだ操作方法や禁忌を整理し、実習帳へ術式を細かく記入する予習をした状態で進めていきます。1年次には同様の基礎実習をマネキンで行い、操作の基本は把握できている状態ですが、実際に人の口腔内での施術は初めてとなります。マネキンとは違い、患者配慮をしながらの操作は難しく、最初は患者役の学生の顔に水をかけてしまう場面や、臼歯部での操作に戸惑う様子も見受けられました。
 超音波スケーラーとエアスケーラーの比較は教本上で学ぶだけでなく、実際に体感することで振動数や歯石除去率、歯面への損傷の違いも十分理解できたと思います。臨床実習本実習で実際の患者に施術させていただける機会があるため、それぞれの特徴や用途を理解した上で患者説明を行い安全に操作できることが必要です。回数を重ねるごとに固定や姿勢も安定し上達していく姿に彼女達の吸収力の早さを感じました。患者説明では、目的や為害作用を理解し、言葉に詰まることなく説明できるようになりました。歯科衛生士にとって技術を身につけることはもちろんですが、患者にとって分かりやすいインフォームドコンセントを行えることも大切な仕事です。読み取る目を養い、患者に信頼され、長期に渡りケアができるような歯科衛生士に育ってもらいたいと感じます。
 実習後、2年生は歯周病予防処置の総まとめとして、諸検査という長期にわたる新しい実習に入ります。保健指導で学んだ歯科衛生過程を含むため、問題解決能力とクリティカルシンキングも必要です。問診や口腔内所見で問題点を読み取ったのち、施術・指導計画を立案・実施することで、患者教育法と正確な手技を修得していきます。再評価までを行うことで、歯科衛生士にとって重要な予防とメインテナンスの習得に必要不可欠な実習となります。3年次に上がる際には臨床の場で困らないよう、しっかりとした実技の修得を期待しています。
(専任教員 山下由佳)