~現場からみえること~ 学院学会

卒業生による講演を聴講する学院生

卒業生による講演を聴講する学院生

 第48回学院学会が10月4日に開催された。毎年行われる本学会で、現場で活躍している卒業生による講演と、各方面で活躍されている講師による特別講演を聴講することが、歯科衛生士の職務についての理解を深め有意義な学校生活を送るためのモチベーションの向上に繋がっている。

 今年度は、山内彩可歯科衛生士(本校39回生、ゆら歯科クリニック勤務)による「MFT-力のコントロール」、高橋規子歯科衛生士(本校31回生、雅ホリステイック歯科非常勤・NDL公認インストラクター)による「歯周治療を通して感じた、歯科衛生士のやりがい」、特別講演として、垣内俊哉株式会社ミライロ代表取締役社長・日本ユニバーサルマナー協会代表理事による「ユニバーサルマナー ~高齢者や障害者に向き合う第一歩~」の3演題をご講演いただいた。

 山内歯科衛生士は、MFT(Oral Myofunctional Therapy:口腔筋機能療法)について「チェアサイドだけでなく私たちが無意識に日常生活で行っている姿勢や習慣から取り組むことができる」と症例を交えながらお話しをしてくださった。高橋歯科衛生士は、自身の経歴から、ターニングポイントとなる出会いについて、また症例をわかり易くご講演いただいた。学生たちにとって、卒業生という身近な講師の講演を聴講することで、歯科衛生士の求められる活躍の場の広さを感じ、歯科衛生士としての自分の未来像が少しでも描けたのではないか。

 また、特別講演の垣内講師は、高齢者や障がい者の現状や心理について、事例を取り入れながら、わかり易くご講演いただいた。「私たちは日常生活のなかで、高齢者や障がい者のかたと接する機会がたくさんあります。その時は、『特別な人』として対応するのではなく、『何かお手伝いできることはありますか?』と、迷わず素直にそのかたの望むことを聞き出していくことが第一歩です」とご講演くださった。それは歯科衛生士として患者さまの主訴を聞き出すために、誠意をもって患者さまと向き合うという心構えに通じるものがある。

 今回の学会に初めて出席した1年生は、先輩がたが活躍されている様子を知ることができて今後の学業への意欲もより一層湧いたことと思う。また、現在専門科目や介護福祉論や障がい者歯科を学んでいる2年生や、臨床実習中の3年生は実際に講演の発表や症例をみることで、講義で学んだ内容とリンクできることもあったのではないか。

 今回の学会で得たものを糧に、学生たちが成長できるように私たち教員もサポートしていきたいと思う。

(専任教員 前山由起子)