小集団指導 ~コロナ禍での取り組み~

ステージイベントによる小集団指導

 2年生の6月に行われる歯と口の健康週間の小集団指導が新型コロナウイルスの影響ですべて中止となり、媒体作製や練習を重ねてきた指導内容を学院外で披露させていただく機会がありませんでした。緊急事態宣言が発令されてから約半年、本学院でもしっかりと感染対策をとるためのマニュアル作成を行い、新型コロナウイルスとの共存・共生するウィズコロナの生活を心がけています。そして10・11月カリキュラムの空きを利用して受入れしてくださる幼稚園・小学校・高齢者施設に各クラス3日間行かせていただけることになりました。学生は初めての小集団指導に緊張していましたが、学内練習では感じることのできなかった子供たちの反応を直接受けて、小集団指導の楽しさをやっと感じることができたようでした。
 また公衆衛生活動では郡市区歯科医師会の姫路市・中央区、イベントではデイサービス長田・伊川谷・しごと体験わくわくランドに参加させていただくことができました。
 私が引率した公益社団法人兵庫県専修学校各種学校連合会が主催の「2020ひょうご専門学校フェスタ~しごと体験わくわくランド~」は高校生および小・中学生・一般県民を対象として各専門学校が職業体験をしてもらうイベントです。参加者全員の手指消毒・検温・体調確認を行ったうえで、密を避けるため各会場で人数規制をしながら実施しました。本学院は①職業体験ブース②ステージイベント③作品展示に参加させていただきました。
 ①職業体験ブースは「模型でブラッシング」「エキスプローラーで凸凹サーチゲーム」「PMTC」の内から1つを選択して体験していただく内容で、途切れる時間がない程の盛況ぶりでした。模型でブラッシングは、叢生の模型を使用して歯磨き指導や補助的清掃用具の正しい使用方法について指導し、Keyesの3つの輪について専門用語を使用せずに説明する貴重な実習となりました。またエキスプローラーでの探知ゲームは楽しみながら手指感覚の難しさを体感する内容となり、一番人気となったコントラアングルハンドピースを使用した人工プラーク除去は、歯科衛生士業務を体験していただけ、楽しいブースとなりました。
 ②ステージイベントでは「クイズもあるよ!紙人形劇で楽しく歯のお勉強」という題目でアンパンマンのペープサートを用いて小集団指導を行いました。背景や音響、ステージに合わせた暗幕台の準備など、その場で臨機応変な対応が必要でしたが、制作担当者のご協力もあり、来場いただいている子供たちも興味津々でクイズに参加してくれている姿が印象的でした。
 ③作品展示では兵庫県歯科医師会監修「健口家族ハッピーくん」の歯科衛生士業務についての4コマ漫画や、学内実習で学生が作製した口腔衛生に関するチャートやペープサートを展示しました。一般のかたにも手に取っていただくことができ、歯科に興味や関心を持っていただける内容となりました。
 本年度初めての参加でしたが、公益社団法人兵庫県専修学校各種学校連合会の皆さまのご協力の元、歯科衛生士の職業についてアピールできる機会をいただけたことに感謝すると共に、コロナ禍でも今回のような大きな会場で学生が楽しく実習することができたことを心から嬉しく思います。
 もっと学内でも学生たちが興味を持って学べる環境作りをより一層考えていきたいと思います。

(専任教員 山下由佳)