消防訓練 ~安全かつ冷静に行動する~

消火器の取り扱いを発表している様子

消火器の取り扱いを発表している様子

 本校では消防法に則り、年に1回消防訓練を行っています。本年度は、10月6日(火)に実施しました。例年は避難訓練、水消火器による消火訓練、煙ハウス体験、学内にある消火器や消火栓、非常ベルなどの非常設備確認のためのスタンプラリーを行っていましたが、本年度は新型コロナウイルス感染症拡大予防のため、避難訓練後は各教室に戻り、神戸市中央消防署の消防士のかたがたから消火器の取り扱いについてのレクチャーとスプレー缶の爆発実験を行っていただき、1年生(51回生)のみスタンプラリーを実施しました。
 避難訓練は、本校2階第2実習室からの出火という設定で、火災発見者が周囲に火災を大声で知らせます。その後、火災ベルが鳴り、教員2人が消火器を持って出火場所の確認をし、初期消火をします。現場確認後は、非常放送で火災発生場所が全館に放送され、教員が消防署(119番)に連絡を入れます。学生は出火場所を確認後、教員の誘導で2階、3階の非常階段から避難を開始します。密を避けつつも冷静、かつ迅速に避難し、最終集合場所は歯科医師会館東館地下駐車場です。避難が終わると点呼を行い、各クラス・学年で全員揃っているかの確認をして、自営消防隊長に報告をして避難完了となります。学生は全員無事に避難完了していましたが、本年度は初期消火を行っていた教員1人が不明になるという設定で実施しました。事前に周知されていない中で行われたので、学生はほとんど気づいていませんでしたが、教員は1人不明に気づき大変焦りました。私たち教員は、第一に学生の安全確保に努めているので、このような災害が生じた時に教員自身の安全確認ができていないことがあると消防署からの提案で今回の設定となり、私たち教員も常日頃から意識していく必要があると身の引き締まる訓練でした。
 避難訓練後は、教室に戻り、消火器の取り扱いについてレクチャーを受けました。そして、学生代表者2人が、理解できたことを確認するために学んだことを整理しながら、消火器の特徴、使用方法などの要点をまとめて発表しました。自身で伝えていくことで、より理解を深めることに繋がったと思います。次に、日常生活で使用することの多いスプレー缶の取り扱いを誤ると大惨事が起きることを実際の事例を挙げて講話していただき、それを踏まえた爆発実験を体験することで、学生たちはその恐ろしさに驚き、身近にも危険が潜んでいることを認識でき、取り扱いには十分に気をつけなければいけないことを理解できました。その後1年生は、密を避けるため、少人数ごとに館内スタンプラリーを行い、避難経路や普段意識して見ることがない避難設備を確認しました。
 コロナ禍とはいえ、いつ火災や災害が起こるかわかりません。教員として、万が一の時には冷静に判断し、お預かりしている大切な学生を迅速に安全な場所へ誘導する責任があります。訓練は繰り返し行うことでパニックを起こすことなく行動できるようになります。今後も安全かつ冷静に行動ができるよう年に1回の訓練を大切にしたいと思います。
(専任教員 難波恵子)