歯科医療のIT化と日本歯科医師会の考え

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3ds_14日本歯科医師会常務理事
冨山 雅史

歯科医療のIT化と日本歯科医師会の考え

「医療のIT化」を考える場合、「医療機器等のIT化、デジタル化」と「医療情報のIT化」の二つの観点で考える必要がある。

歯科分野におけるIT化を考えると、「歯科医療機器等のIT化、デジタル化」としては、X線装置のデジタル化に始まり、様々な検査装置がデジタル化されてきている。また現在ではiPad等を用いたコミュニケーションツールの普及も著しい。また、平成26年度の診療報酬改定でCAD/CAMが保険適応になったことも記憶に新しい。患者様に良質の医療を提供することを目的として、医療機器、医療技術のIT化はさらに進んでいくと考えられる。「歯科医療情報のIT化」としては、レセプトコンピューターの普及に伴うレセプトの電子化、さらに今後は電子カルテの普及が考えられる。この医療情報のIT化は、国の医療政策と直結している。安倍政権では成長戦略として、「日本再興戦略」「経済財政運営と改革の基本方針(骨太の方針)」「規制改革実施計画」、そして「健康・医療戦略」を閣議決定し、それに基づいた様々な施策を進めており、その中の重要項目の一つが、医療IT化政策である。その目標は、医療の質の向上と医療費の適正化であり、そのために、全国的な医療情報連携ネットワークを構築し、デジタル化された医療等情報を利活用するシステムを作っていくことである。 

今後の「ITを共通基盤とした医療」を考えた場合、以下の3つの基軸を持った医療に整理される。

1 生活継続性のある健康・疾病管理
  ・生涯的健康・疾病管理への転換
  ・重症化予防と医療費の適正化
2 地域統合性のある医療・健康管理
  ・病院完結型医療から地域完結型医療へ
  ・医療機関の機能分担の明確化
3 日常生活圏基盤のユビキタス健康医療
  ・超高齢化社会の老人医療
  ・日常生活圏疾病管理

歯科医療の将来像を考えた場合、歯科医療が各機軸にどのように関与していくかを明確に示す必要があると思われる。

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