一般社団法人 兵庫県歯科医師会
会長 澤田 隆
新型コロナウイルス感染症は、いまだ収束には至らず、3年目に入っています。この災厄がこれほど長期間に及ぶとはだれも想像していなかったと思います。このウイルスは次々に変異を重ね、現在は新型のオミクロン株が猛威を振るい予断の許さない状況下にあります。従って引き続きワクチン接種やマスク・手洗い・うがいの励行や過密・換気等には十分ご注意ください。個々人の真剣な感染予防対策が必要です。
さて、皆さんも御承知のように我が国は、男女ともに平均寿命も健康寿命も世界トップクラスの長寿国となっています。厚生労働省が先月(2021/12月)に公表した2019年の健康寿命は、男性72.68歳(平均寿命は81.41歳)、女性は75.38歳(同87.45歳)です。しかし、健康寿命と平均寿命の差は、男性で8.73年、女性は12.06年もあります。従ってその間は病気や介護等のお世話になるような不健康な期間と考えられます。我々医療関係者はこの差を無くすように努力しています。幸いにも男女ともに、この差は毎年縮小傾向にあり、今回の調査では特に健康寿命の延びが平均寿命の延びを超えたことが大きな話題になっています。
現在、人生100年時代と云われていますが、真の健康長寿社会は単に長く生きるということではなく、人間として「食べる」「話す」「笑う」等、「日常の基本的な機能」を人生の最後まで全うすることが目標とならねばなりません。ご高齢者の笑顔あふれる社会こそが真の「健康長寿社会」であると思います。この「日常の基本的な機能」は「口腔の健康」から得られるものであり、健康寿命の延伸の鍵と云われる栄養・運動・社会参加の獲得も「口腔の健康」と関連します。
政府は2040年までに男女とも健康寿命を3年延長させることを提言し、兵庫県も県民の健康寿命の1年延長を目指しています。しかし最近、老年期に心身機能が低下し健康と要介護の中間にある状態を「フレイル(虚弱)」といい、その予防が叫ばれています。この「フレイル」の前駆症状は、「噛めない食品が多くなった」、「むせ易くなった」、「滑舌が低下した」など、口腔の諸症状に現れます。これを、口腔機能の低下、即ち「オーラル・フレイル」といい、我々は、「フレイル予防」のカギは「口腔機能の向上」にあると考えています。従って、現在「8020運動」とともに「オーラル・フレイル予防」を県民運動として展開しています。
県民の皆様の「生涯を通しての健康の保持増進」をお守りすることは兵庫県歯科医師会の重要な使命であり、健康長寿社会の実現に向け全力を挙げて取り組んでいます。
兵庫県歯科医師会は兵庫県が「全国一の健康県」になる事を願い活動を続けます。
歯と口腔に関する疑問点等がありましたら、このホームページを訪ねて頂き、健康情報をご覧になりご自分やご家族の皆様の健康管理にお役立て頂ければ望外の喜びでございます。
いつまでも丈夫で元気な歯でいるために今からでもできる事など正しい知識や最新の医療情報をご紹介いたします。
本会は、医道の高揚と歯科医学の進歩発達と公衆衛生の普及向上を図り、もって社会及び会員の福祉を増進することを目的とする。