矯正歯科・郡市区歯科センター見学実習 〜臨床実習から学んだこと〜

事前学習冊子

事前学習冊子

 52回生(2年次)は3月に矯正歯科に2日間・郡市区歯科センターに1日、見学実習に行かせていただきました。2年次の1年間はさまざまな臨床科目を学びますが、歯科医院でアルバイト経験がない学生にとっては、診療内容は想像し難く、教本上の勉強だけでは実践力は身につきません。その中でも矯正歯科学は成長や発育、咬合について理解を深め、口腔衛生や食生活、矯正装置や口腔周囲筋に関する指導が必要となります。また障害者歯科学は身体的、知的あるいは精神的な障害のあるかたを対象として、不安や恐怖、リスクが伴う歯科治療をいかに安全に行い、歯科衛生士として障がい者の口腔健康管理を担うことが重要となります。有意義な見学実習とすべく、事前学習として、矯正の器具・器材の名称や用途、障害の特徴や診療の留意点についてまとめた冊子を作成し、実習中に照らし合わせることで、実践力を身につけられるよう準備しました。
 矯正実習の到達目標を「1.矯正の診断に必要な資料収集、口腔衛生指導管理、矯正装置・器具の患者説明・指導など、矯正歯科における歯科衛生士の役割について理解する」「2.矯正装置・器具の種類、プライヤーの名称と用途について理解する」とし、障害者実習の到達目標を「1.センターにおける歯科衛生士の役割について理解する」「2.障害者歯科診療で障害者歯科の対応を学ぶ」と掲げました。また学生個々に実習の目標・心構えを設定、記入することで、学生、教員、指導歯科医師・指導歯科衛生士が共通認識を持ちながら実習に挑めるようにしました。

報告会

報告会

 実習終了後の報告会で、学生は「初めて矯正治療で器具を使用されている様子を見学させていただいたことで、より深い理解に繋がった」「センターでは初めて全身麻酔を見学でき、貴重な経験になった。歯科衛生士の対応を間近で学ばせていただくことができて良かった」と発表をしており、学内実習では学びきれない貴重な経験ができたようです。また、矯正歯科医院や郡市区歯科センターに就職することを視野に入れた学生もおり、指導歯科衛生士がロールモデルとしての良い指標になったのではないでしょうか。理想とする歯科衛生士像が具体化したことで、主体的行動に結びつく一因となったと思います。
 4月からは最高学年となり、臨床実習本実習と国家試験を乗り越えなければなりません。臨床科目の知識のみならず、全身管理やチーム医療、感染対策の知識も必要となります。52回生の担任として彼女たちが笑顔で卒業証書授与式を迎えられるよう、精一杯サポートしていきたいと思っています。お忙しい中ご協力いただいた皆さまに感謝すると共に、今回の実習で学んだことを今後に活かせるよう、私たち教員も学生指導に一層尽力して参ります。
(専任教員 山下 由佳)