知らないとやばい!! お口の「実は・・・」ライフステージ別で知るお口の健康

実は恐ろしい?! 口内環境がもたらす
身体への影響力、甘く見ていませんか?

年齢を重ねるにつれて、お口の変化を感じている人も多いのでは?痛みがないから、見た目が綺麗だから大丈夫…そう油断している人も、知らないとやばい!!ライフステージ別の歯にまつわる「実は…」を集めました。知ってしまえば最後、今すぐ歯医者に行きたくなるはず。
あなたのお口は健康?
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CHECK

幼年期・妊娠期

0〜4歳
妊娠してから産後6〜8週間
幼年期・妊娠期
ガーン
実は...乳歯の虫歯は永久歯に影響を与える?! 実は...乳歯の虫歯は永久歯に影響を与える?!

乳歯の歯はどうせ永久歯に生え変わるからむし歯の治療をしなくても大丈夫!って思っていませんか?それは大きな間違いです。乳歯の特徴は永久歯と比べるとエナメル質の硬さは軟らかく、エナメル質や象牙質の厚みは半分程度です。また、乳歯は酸に対する抵抗性が低いため、歯の成分が溶け出してしまい脱灰という現象が起こりやすくなります。むし歯というと「黒」や「茶色」のイメージが強いですが、乳歯のむし歯は「白い」場合もあることが特徴です。特に白いむし歯の進行は早いため、痛みがあっても保護者がむし歯に気づきにくく、放っておくと数ヶ月で歯髄(神経)まで進行してしまうことも・・・。実は・・・乳歯のむし歯の根っこ先が化膿した状態で放置しまうと、乳歯の下で育っている永久歯が変色や凹みのある歯(ターナー歯)となって生えてくる場合があります。むし歯を放置していると噛む時に痛むことから、あまり噛まなくてもよい物を食べるので偏食になりやすく、噛む回数が減るため永久歯の歯並びや成長にも影響することも・・・乳歯のむし歯は要注意です。

Advice

改善・回避するにはどうすれば?!

  • Advice 01

    乳歯が生え始めるころから口唇や口腔内を触られることに慣れさせましょう。

  • Advice 02

    乳歯が生えたら歯科医院を定期的に受診し、ブラッシング指導とフッ化物歯面塗布を受けましょう。

  • Advice 03

    幼児にとって捕食となるおやつは大切。でもダラダラ食べさせるとむし歯になるリスクが高くなります。おやつは決まった回数・時間・量に注意が必要です。

  • Advice 04

    将来、子どもが口腔疾患にかかるリスクを低くするためにも、ご両親のお口の健康状態を保つことが重要です。

ガーン
実は...女性の人生の中で妊娠中は最も危険&生まれてくる子供にも影響が?! 実は...女性の人生の中で妊娠中は最も危険&生まれてくる子供にも影響が?!

女性にとって、妊娠・出産は大きなイベントです。個人差はありますが・・・。妊娠するとホルモンバランスや唾液の分泌量・唾液の性質が変化します。つわりの時のブラッシングの困難や栄養・食生活の偏り、ライフスタイルの乱れ、間食頻度の増加などが原因でセルフケア不足が続くと妊娠関連歯肉炎やむし歯などお口のトラブルが発生するリスクが高くなります。実は…妊娠する前から歯周病に罹患している妊婦では、早産、胎児発育不全、妊娠高血圧腎症のリスクが高いという報告があります。妊娠期は生まれてくる子どものためにも健康なお口の状態を保つことが重要です。

Advice

改善・回避するにはどうすれば?!

  • Advice 01

    妊娠中、むし歯などの歯科治療を受けることは可能ですが、できれば妊娠前に歯科治療を終了させておくことが望ましいでしょう。

  • Advice 02

    つわりの時のブラッシングは、つわりの軽く体調のよい時間帯で!それでもできない時はブクブクうがいを十分におこないましょう。

  • Advice 03

    歯周組織の健康回復のために、妊娠・授乳中にはプロフェッショナルケアを受けましょう。

  • Advice 04

    生まれてくる子どもの歯とお口の健康づくりのために「妊産婦歯科健診」を受けましょう。

ガーン
実は...転んだ時にとっさに手が出ない子どもが急増中!? 実は...転んだ時にとっさに手が出ない子どもが急増中!?

昔から子どもにケガはつきものと言われています。令和2年度『日本スポーツ振興センター』のまとめでは、全国の認定子ども園の管理下において0歳~4歳児がケガをする部位は半数以上が『頭部と顔のケガ』というデータがあります。乳幼児は平衡感覚がまだ十分に発達していないことや身体に比べて頭が大きいという身体的特徴もあって、バランスをとりにくく転びやすいです。実は…顔のケガの中で一番多いケガは歯の外傷です。諸説ありますが、赤ちゃん時代の“ハイハイ不足”がひとつの要因と言われています。赤ちゃんの頃にハイハイをあまりしないと両腕の筋力が鍛えられなかったり、とっさに手を出せなくなったりする可能性があると考えられています。

Advice

改善・回避するにはどうすれば?!

  • Advice 01

    赤ちゃん時代はケガから身を守るためには「ハイハイ」の機会を与えてあげましょう。

  • Advice 02

    遊びや雑巾がけのお手伝いをつうじて「ハイハイ運動」取り入れ、腕の筋力など体を支える力を身につけましょう。

  • Advice 03

    転倒した時に、こどもさんの全身状態をみることからはじめましょう。

  • Advice 04

    口の中が出血している場合は、慌てず清潔なガーゼなどで出血部位を軽く圧迫してください。

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落ち着いてまずはお近くの歯医者さんへ行ってみましょう。

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少年期

乳歯から永久歯に生え換わる
5〜14歳
少年期
ガーン
実は...永久歯は生えてから2年間が一番むし歯になりやすい?! 実は...永久歯は生えてから2年間が一番むし歯になりやすい?!

これから一生付き合っていく大事な歯。生え変わりの時期は要注意です。生えたての歯は幼若永久歯(ようじゃくえいきゅうし)といい、歯質が未成熟です。特に、奥歯の咬合面(噛む面)の溝は複雑で深いため早い段階でむし歯になりやすく、急速に進行してしまいます。実は…永久歯が完全にできあがるまでに約3年間かかるため、この時期にしっかりむし歯予防しておくことで、将来むし歯になりにくい強い歯を育てることができるのです。

Advice

改善・回避するにはどうすれば?!

  • Advice 01

    永久歯が生えてくるこの時期から、毎日の歯みがき時にフッ化物配合歯みがき剤を年齢にあった量を使用し、丈夫な歯を育てましょう!

  • Advice 02

    6歳頃から11歳頃までは乳歯と永久歯が混在する時期。乳歯にむし歯があると永久歯にも影響があるかも。永久歯が生えるまでに、むし歯の処置を受けましょう。

  • Advice 03

    小学生低学年まではセルフケアが苦手。磨き残しを減らすために9歳ぐらいまでは保護者による夜の仕上げみがきをしてあげましょう。

  • Advice 04

    歯科医院でむし歯予防処置をうけましょう。

ガーン
実は...10代から歯肉炎⁉ 実は...10代から歯肉炎⁉

歯は、歯肉、歯根膜、歯槽骨などの歯周組織にささえられており、その歯周組織に起こる病気を歯周疾患といいます。その代表のものが歯肉炎と歯周炎です。歯肉炎は炎症が歯肉にとどまっているもの、歯周炎は歯根膜や歯槽骨まで影響が出ているものをさします。歯周病と聞くと、中高年の病気と思いがちですが、実は…10代から歯肉炎から歯周炎へ移行する人も増えています。歯と歯肉の境目には歯肉溝とよばれる浅い溝があり、そこに細菌の集合体のバイオフイルムの形成が定着すると炎症が発生するリスクが高くなります。歯肉炎は必ず治ることを自覚し、放置しないように心がけましょう。

こんな習慣のある人は要注意!!

  • タバコを吸う
  • 間食が多い
  • よく噛まない
  • ストレスをためている
Advice

改善・回避するにはどうすれば?!

  • Advice 01

    歯ブラシのヘッドの大きさは、自分に合ったサイズ選びが大切です。

  • Advice 02

    この時期からデンタルフロスを使い始めましょう。

  • Advice 03

    自分にあったブラッシング方法を習得しましょう。

  • Advice 04

    歯科医院で定期的にチェックを受けましょう。

ガーン
実は...その癖が歯並びを悪くする原因かも⁉ 実は...その癖が歯並びを悪くする原因かも⁉

歯並びのせいで「上手く笑えない」「積極的になれない」「人前で話すのに抵抗がある」など口元コンプレックスで悩んでいる方は多いようです。歯並びが悪い状態を「歯列不正」といいます。歯列不正になる原因は『先天的な原因』『後天的な原因』の2つに分けられます。先天的な原因として遺伝的要因・顎顔面領域の形態異常、後天的な原因として歯の萌出障害・歯の交換の錯誤・不良習癖・口腔軟組織の形態異常です。先天的な原因を防ぐことは難しいことですが、実は…むし歯や悪い癖などが理由で引き起こす後天的な原因の場合は普段から注意をしていれば防ぐことができます。

こんな習慣のある人は要注意!!

  • 指しゃぶり
  • 頬杖を突くことが多い
  • 指や爪、くちびるを噛む
  • 口が開いていることが多い
  • 幼少から柔らかいものばかりたべている
Attention!

少しでも当てはまる癖があれば歯列不正になる原因が潜んでいるかも!?
悪い癖がついてしまっている場合は、歯科医院でご相談ください。

歯列不正はむし歯や歯周病へのリスクが高くなるだけではなく、咀嚼障害や構音障害などの機能障害をも引き起こします。歯列不正は自然には治らないので適切な治療が必要です

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青年期

見た目も気になり始める
15〜24歳
青年期
ガーン
実は...男女ともに最も歯医者に行かない年代?! 実は...男女ともに最も歯医者に行かない年代?!

高校を卒業すると、歯科健診を受ける機会が減ることにより、お口に対する関心も低下しがち。特に20代で歯科受診や治療を受けない「先延ばし派」がなんと60.5%もいるというデータが!日本人の4人に3人が、もっと早くから歯の健診や治療をしておけばよかったと『後悔』していることがわかりました。この時期は人生のイベントが多い年代ということもあり、目立った症状がでると、痛み止めなどで症状を抑え、むし歯を放置してしまう人が多く痛みを感じてから歯科医院を受診したのでは手遅れになってしまう可能性もあります。むし歯や歯周病予防にも繋がるブラッシングを怠ると歯の表面にはネバネバとした堆積物がたまってきます。このネバネバした正体はお口の細菌の集合体であるバイオフィルムで、実は…このバイオフィルムの中には、なんと1mgあたり10億個もの細菌が棲みついるデータが!見た目も気になり始める年代なのに不思議なことにお口への意識は低いようです・・・。見えるところだけではなく、お口の中も抜かりなくケアしましょう。

治療を受けない「先延ばし派」60.5%
Advice

改善・回避するにはどうすれば?!

  • Advice 01

    食生活の乱れは、むし歯や歯周病の原因になるので、就寝前の間食は控えましょう。

  • Advice 02

    歯科医院を定期的に受診し、プロフェッショナルケアを受けましょう。

  • Advice 03

    スポーツドリンクや清涼飲料水を多量に飲み続けるペットボトル症候群からむし歯や酸蝕症を守りましょう。

  • Advice 04

    口腔内の細菌のかたまりである歯垢(プラーク)もバイオフィルムのひとつです。

ガーン
実は...20歳前後で歯周病菌はお口の中で密かに暮らし始めている?! 実は...20歳前後で歯周病菌はお口の中で密かに暮らし始めている?!

ヒトにおいて、胎児の時は無菌状態だったのが、出産時、新生児は産道や外界から様々な細菌に暴露されます。お口の中はどうでしょう。幼少期から長い年月をかけてお口の中に棲む細菌叢は多種多様となります。食生活や生活習慣、歯の萌出などの環境の影響を受けながら細菌叢はさらに複雑化し、バイオフィルムは成長を続けます。実は、歯周病菌の感染は家族や友人との食事の共有(回し飲み、直箸など)や歯周病菌を保有する人とのキスなどの唾液が原因といわれています。歯周病菌は中学生のころから感染が始まり、18歳以降になると最強の歯周病菌であるポリフィロモナス・ジンジバリス(Pg菌)に感染し、歯周病原性バイオフィルムが完成します。むし歯や歯周病はお口の中で棲みついている常在菌による感染症です。感染源が取り除かれない限り、むし歯や歯周病は完治しません。歯や歯肉や骨を守るためには、定期的に歯科医院でプロフェッショナルケアを受け、バイオフィルムに棲むさまざま細菌がバイオフィルムの病原性を高めないようにすることが重要です。

Advice

改善・回避するにはどうすれば?!

  • Advice 01

    セルフケアに歯ブラシ+デンタルフロスの習慣を身につけましょう。

  • Advice 02

    この時期は、むし歯と歯肉炎の増加率が多いので、鏡をみて、自分の歯や歯肉の状況を把握しましょう。

  • Advice 03

    歯周病菌の最大の栄養源は血液に含まれる「ヘミン鉄」歯肉からの出血によりさらに歯周病菌が増殖するため、ブラッシング時に出血する人は、早めに歯科医院へ受診しましょう。

ガーン
実は...親知らずを放置すると歯並びに影響が?! 実は...親知らずを放置すると歯並びに影響が?!

個人差はありますが、20歳ごろになると「親知らず」が一番奥の左右上下に生えてきます。近年、日本人の顎は小さくなっている傾向があり、それに伴い歯が生えるスペースは狭くなっています。充分なスペースが確保できないと、親知らずはまっすぐ生えることができず、横向きに生えてしまうことによって隣の歯を圧迫し歯並びが崩れてしまう可能性があります。また、その歯並びの崩れがかみ合わせに影響を及ぼすことも。噛み合わせのズレは、悪化すると顎の痛みや肩こり、頭痛などの症状が出る顎関節症の原因にもなります。厄介なことに、横に生えてしまうとブラッシングをしても口内を清潔に保つことができず、むし歯や歯肉炎を起こしてしまい、それが隣接する健康な歯にも影響を与えてしまう可能性があります。全ての親知らずが必ずしも抜歯が必要なわけではありませんが、真っ直ぐ生えていない場合は親知らず周辺の丁寧なケアを心がけ、一度歯科医院へ受診しましょう。

Advice

改善・回避するにはどうすれば?!

  • Advice 01

    親知らずが生えてきた際は、磨き残しのないように親知らずと周辺の歯はより丁寧に磨きましょう。

  • Advice 02

    痛みがなくても斜めや横向きに生えてきている場合は、一度歯科医院で相談しましょう。

  • Advice 03

    親知らずが横向きに生えてしまっている場合は、全体の歯並びや周辺の歯にむし歯などの悪影響が出る前に抜歯を行うことをおすすめします。

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壮年期

働き盛り世代
25〜44歳
壮年期
ガーン
実は...口臭の成分は下水と同じ?! 実は...口臭の成分は下水と同じ?!

お口の中には様々な細菌が存在し、細菌が食べカスなどのタンパク質を分解する際にニオイが発生することで不快な口臭となります。分解する際に発生する成分のメチルメルカブタン・硫化水素・ジメチルサイファイドの3種のガスは下水の中にも多くふくまれていて、それぞれ悪臭物質として知られています。自分の口の中で下水と同じガスが出ているなんて、ショックですよね・・・。そして口臭の主な原因といわれているのは、実は舌についた汚れである舌苔(ぜったい)です。舌の表面には数多くのごく小さな突起があります。この突起の凸凹に、口の中の細菌や食べかす、はがれ落ちた粘膜の上皮、唾液の成分などがたまり、細菌がどんどん増殖して舌苔ができるのです。通常であれば、会話や食事、唾液によって洗い流されるのですが、唾液の分泌量が減るとつきやすくなります。舌苔はうがいだけでは除去できず、舌専用ブラシを使って優しい力で毎日ケアすることで徐々に改善します。

Advice

改善・回避するにはどうすれば?!

  • Advice 01

    舌はデリケートなので、舌専用の歯ブラシを使い舌の奥から手前にやさしくかき出しましょう。

  • Advice 02

    就寝中は唾液の分泌が減ることで細菌が繁殖しやすい状態になるので、舌みがきを行うタイミングは朝食前がベスト。

  • Advice 03

    舌の表面の汚れは舌専用ブラシで3~4回程度軽くかき出す程度で十分。

  • Advice 04

    唾液は口臭予防の重要な役割です。唾液腺マッサージや舌のストレッチで唾液に分泌を促しましょう。

ガーン
実は...タバコを吸うと歯が治りにくい?! 実は...タバコを吸うと歯が治りにくい?!

喫煙者は非喫煙者に比べて自分の歯を失うリスクが高いことが解っています。1日21本以上タバコを吸う喫煙者のグループが、9本以上歯を失うリスクは、非喫煙者のグループの約2倍。また喫煙年数が長くなるほど、リスクが高くなるというデータがあります。タバコなどに含まれるニコチンなどの毒素は歯周組織を破壊し、間接的にも免疫力を弱め、歯周ポケットに細菌が繁殖しやすい環境を作るなど、歯周病が進行して歯が抜けてしまうリスクを高めます。もう長年吸ってきたから手遅れだろう・・・と思っている方も多いかもしれませんが、禁煙することにより、歯肉の血流は数日~数週間で回復します。過去に重度の喫煙歴がある人でも歯科医院で適切な治療を行うことで健康な歯肉に回復するデータもあります。禁煙にチャレンジすることは、歯周病のみならず全身疾患のために非常に重要です。

1日あたりの喫煙本数と歯周病の関係[非喫煙者を1とした場合] 1日あたりの喫煙本数と歯周病の関係[非喫煙者を1とした場合]
表:1日あたりの喫煙本数と歯周病の関係[非喫煙者を1とした場合]

日本歯科医師会「歯医者さんから始まる禁煙への道」(平成17年)

Advice

改善・回避するにはどうすれば?!

  • Advice 01

    喫煙は歯周病の最大のリスク要因です。一日も早い禁煙をオススメします。

  • Advice 02

    適切な口腔ケアを行なうとむし歯や歯周病などのトラブルが減少します。

  • Advice 03

    病気を予防するには食べ物をよく噛んでから飲み込みましょう。

ガーン
実は...生涯自分の歯で噛むか、義歯になるかのターニングポイント?! 実は...生涯自分の歯で噛むか、義歯になるかのターニングポイント?!

若い頃は、歯が抜けるなんて想像もできませんでしたよね。歯を失う原因の第1位は歯周病(37.1%)、第2位はむし歯(29.2%)、第3位に破折(17.8%)、その他(7.6%)、埋伏歯(5.0%)、矯正(1.9%)の順になっています。何らかの原因で1本以上の歯を失う人は壮年期から徐々に増え、50代に入るころには2人に1人の割合で歯を失った経験をしています。この時期は、仕事や子育てなど社会的な責任も大きくなり、自己管理がおろそかになりやすいです。久しく歯医者へ行っていない人は歯周病が進行している可能性が高くなります。重度な歯周病になってしまうとなかなか元の状態には戻りにくいと言われています。この時期からの予防が大切です。

1人平均喪失歯数の年次推移(永久歯)
表:1人平均喪失歯数の年次推移(永久歯)

※平成28年度歯科疾患実態調査(厚労省)

1人あたり現存歯数
表:1人あたり現存歯数

※令和元年度兵庫県健康福祉部健康局健康増進課調べ

1人あたり現存歯数
表:1人あたり現存歯数
表:1人あたり現存歯数

※令和元年度兵庫県健康福祉部健康局健康増進課調べ

Advice

改善・回避するにはどうすれば?!

  • Advice 01

    いままで歯周病検査を受けたことがない人は、各自治体がおこなっている「歯科の節目健診」を受け、自分の口の状態を知りましょう。

  • Advice 02

    寝不足や偏った食生活、運動不足、お酒の飲み過ぎなど生活習慣の改善に心かけましょう。

  • Advice 03

    丁寧なセルフケアはもちろん、歯科医院で定期的なメンテナンスを行いましょう。

ガーン
実は...30歳前後で歯周病人生が始まる?! 実は...30歳前後で歯周病人生が始まる?!

日本人が歯を失う原因の第一位、歯周病。実は30代以上の3人に2人が歯周病に罹っていることから国民病と呼ばれています。青年期はバイオフィルムの病原性が低いことと歯周組織の抵抗性が高いことから歯周病の発症は少ないのですが、中年期に入る頃には歯周病が発症しやすくなります。実は…歯周病の初期段階では自覚症状がほとんどなく、気づかないまま進行していくケースがほとんどで、40歳以降では80%を超える高頻度で歯周病が認められます。最近の研究では歯周病は歯を失うだけではなく、糖尿病/肥満/冠状動脈心疾患/関節リウマチ/誤嚥性肺炎/骨粗鬆症/慢性腎臓病/アルツハイマー病 /早産・低体重児出産など様々な全身疾患の誘因にもなっていることが確認されている、恐ろしい病気なのです・・・。早期から適切な歯周病の予防処置を行うことで全身疾患の予防もできることに繋がります。

Advice

改善・回避するにはどうすれば?!

  • Advice 01

    歯周組織の抵抗性の低下は老化、喫煙、生活習慣、不十分なブラッシングで起こります。

  • Advice 02

    歯周病は第6番目の糖尿病の合併症。歯周病を治療することで2型糖尿病患者の血糖コントロールの改善が見込めます。

  • Advice 03

    丁寧なセルフケアはもちろん、歯科医院で定期的なメンテナンスを行いましょう。

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中年期

老後の健康寿命に関わる
45〜64歳
中年期
ガーン
実は...お口の衰えがはじまり出す?! 実は...お口の衰えがはじまり出す?!

唾液は口の中をうるおすだけはなく、口腔内の細菌の増殖を抑え、口臭、むし歯、歯周病などさまざまなトラブルから私たちを守っています。唾液は99%以上が水分で、残りの1%ほどが抗菌、免疫、消化などに関わる重要な成分を含みます。通常、健康な成人は1日あたり平均1.0~1.5Lもの唾液を分泌していますが、加齢やストレスなどで唾液の分泌量の減少を引き起こすと考えられています。実は、唾液の分泌量が減ると、口の中が乾燥し、食べ物が飲み込みづらくなる、口の中がネバネバする、口臭がきつくなる、話にくくなるなど不快感が慢性的に続くことがあります。また、唾液が本来果たしている自浄作用が働かず、むし歯口臭、舌痛、口内炎の原因になったり、むし歯や歯周病などが進行しやすくなる場合もあります。口の渇きは病気の重要なサインでもあるので、早めに歯科受診することをおすすめします。

Advice

改善・回避するにはどうすれば?!

  • Advice 01

    歯や口の自覚症状がなくても、久しく歯科健診を受けてない人は歯科医院でチェックを受けましょう。

  • Advice 02

    唾液の分泌を促すために顔や舌の体操・唾液腺マッサージを行いましょう。

  • Advice 03

    丁寧なセルフケアはもちろん、歯科医院で定期的なメンテナンスを行いましょう。

ガーン
実は...自分の歯を20本以上保つと医療費の増加抑制に繋がる?! 実は...自分の歯を20本以上保つと医療費の増加抑制に繋がる?!

8020(ハチマルニイマル)運動って聞いたことがありますか?1989年(平成元年)より厚生省(当時)と日本歯科医師会が推進している「80歳になっても20本以上自分の歯を保とう」という運動です。20本以上の歯があれば、食生活にほぼ満足することができると言われています。そのため、「生涯、自分の歯で食べる楽しみを味わえるように」との願いを込めてこの運動が始まりました。歯科疾患実態調査によると、20本以上自分の歯を保持している中年期(45歳~64歳)の割合は約93%ですが、60歳に入ると約85%まで下がるというデータがあります。実は、歯の本数が少ない高齢者ほど医療費が高くなることも分かってきました。むし歯や歯周病などによって多くの歯を失うことで咀嚼機能や嚥下機能といった歯や口の機能が低下し、食生活の支障来たして十分な栄養が取れなくなると低栄養のリスクが高まります。この時期は歯を失わないために口腔の健康状態を保つことが重要です。

Advice

改善・回避するにはどうすれば?!

  • Advice 01

    セルフケアをしっかり行いお口の中を健康に保ちましょう。

  • Advice 02

    歯科医院で定期的なメンテナンスを行いましょう。

  • Advice 03

    口腔の機能低下を避けるために、自分の歯だけではなくしっかりと噛めることができるブリッジや入れ歯など機能する歯をもちましょう。

ガーン
実は...歯が失われてくる時期・・・?! 実は...歯が失われてくる時期・・・?!

加齢による唾液の減少やむし歯や歯周病などの原因によって、この時期から歯が失われはじめます。抜歯リスクが高くなる歯の状態を調べてみると「未処置歯のむし歯」「歯の全部を金属などで覆う装置(クラウン)を装着している歯」「部分入れ歯を維持する金属(バネ)がかかる歯」「歯周病が進行している歯」というデータがあります。実は、45歳~54歳の一人平均喪失歯(歯を失う)の割合が約1.5本に対して、55歳~64歳になると約4本。85歳以上になると約18本も歯を失っているというデータがあります。歯を失うことは、歯の見た目の問題や会話や会食がしにくいといった社会的機能の低下に繋がり、友人との交流や社会参加の機会を減少させ、閉じこもりのリスクとなります。この時期は歯や口の健康を維持するために意識を高める大切なターニングポイントなのです。

Advice

改善・回避するにはどうすれば?!

  • Advice 01

    加齢や歯周病により歯の根面が口の中に露出していることが多く、根面のむし歯の危険が高くなります。大人もむし歯への対策も重要です。

  • Advice 02

    歯が19本以下の人では抑うつ発症のリスクは1.3倍高いというデータがあります。抑うつ発症しないためにも歯や口の健康を維持しましょう。

  • Advice 03

    丁寧なセルフケアはもちろん、歯科医院で定期的なメンテナンスを行いましょう。

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高年期

健康にダイレクトに影響する
65歳〜
高年期
ガーン
実は...歯の保有数で認知症のリスクが約2倍に?! 実は...歯の保有数で認知症のリスクが約2倍に?!

年齢や疾患の有無、生活習慣等に関わらず歯の保有数が20本以上ある人と、歯が14本しかなく、ブリッジや義歯など使用しないで、抜けたままで放置している人とではアルツハイマー型認知症になるリスクが約1.4倍になるという研究結果が発表されています。高齢になっても元気でいる秘訣として、むし歯や歯周病などで歯を失ってもお口の機能回復をすることがポイントです。万が一歯を喪失した場合も、ブリッジや入れ歯を使用することでアルツハイマー型認知症のリスクを回避できます。また、治療したら終了ではなく、ブリッジや入れ歯を使用している人は歯科医院での定期的なメンテナンスが重要です。

現在歯数20-28歯を基準としたアルツハイマー型認知症病名での受信者率
表:現在歯数20-28歯を基準としたアルツハイマー型認知症病名での受信者率
喪失歯数1-13歯を基準としたアルツハイマー型認知症病名での受信者率
表:喪失歯数1-13歯を基準としたアルツハイマー型認知症病名での受信者率

※日本歯科総合研究機構(2021年)

20本以上の歯を有する者の数及び割合
表:20本以上の歯を有する者の数及び割合

※平成28年度歯科疾患実態調査(厚労省)

Advice

改善・回避するにはどうすれば?!

  • Advice 01

    自分の歯を20本以上の残すことではなく、いつまでも自分の「口」で食べて飲み込むことができ、自分の意思を「口」で伝えることです。

  • Advice 02

    「食べる」「話す」といった機能は毎日使うもので、その低下を本人が気づくことはとても難しいことです。外出や外食、他者との交流を積極的に行って、お互いに口腔機能の低下や容姿の変化を確認し注意しあうことが重要です。

  • Advice 03

    丁寧なセルフケアはもちろん、歯科医院で定期的なメンテナンスを行いましょう。

ガーン
実は...歯を失うほど肺炎の死亡リスクがUP?! 実は...歯を失うほど肺炎の死亡リスクがUP?!

肺炎は日本人に死亡原因第3位で、亡くなる多くの方は65歳以上の高齢者です。80歳以上の肺炎患者でその9割以上が「誤嚥性肺炎」であったと報告されています。誤嚥性肺炎とは口腔内や上気道に定着している微生物(常在菌・定着菌)の誤嚥によって生じる細菌性肺炎です。食べ物や唾液などが声帯を超えて気管内に入ることを誤嚥といいます。誤嚥は健常者も生じることがありますが、脳卒中や神経筋疾患、薬剤の副作用などによって頻度が上がります。実は、不潔な唾液中には1ml中に100億個の細菌が存在するといわれています。実際に口腔ケアを行うことで、唾液中の細菌数が低下し、誤嚥性肺炎に発症率が低下することが大規模な比較研究により明らかになっています。誤嚥性肺炎の予防には「誤嚥の質を改善する口腔ケア」と「誤嚥を量的に減らす摂食嚥下リハビリテーション」が鍵となります。

Advice

改善・回避するにはどうすれば?!

  • Advice 01

    間接(基礎)訓練で筋力アップ、唾液の分泌をはかり、噛んで飲み込む力、食べる力を高めましょう。

  • Advice 02

    口腔ケアによって細菌や食べかすを減らし、口腔の清潔を保ちましょう。

  • Advice 03

    丁寧なセルフケアはもちろん、歯科医院で定期的なメンテナンスを行いましょう。

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