「兵庫県歯・口の健康に関する図画・ポスターコンクール」に兵庫県下の小学校等から総数1,259点の作品応募をいただきました。「どんな絵を描こうか」と考えて、一生懸命に画用紙に向かったたくさんの子どもたちの姿が、応募作品の中から浮かんできました。同時に、歯や口の健康を、ほかならぬ自分のこととしてしっかり考えたからこそ絵にできたのだと思いました。
 子どもたちは、表したいことがあるからと言ってそれがかたちにできるとは限りません。いやむしろかたちにできず、苦労する子どもたちの方が多いのです。これは高校生になっても同じです。なぜなら、自分の表したかたちが自分の思いどおりに見る人に伝わるか、それが不安だから、なかなかかたちにならないのです。応募作品を拝見していますと、図工の授業などでの先生方、家庭での保護者の方の助言があったと思われる作品に出合いました。子どもたちは周囲の人の少しの助言で、「あっそうか」と気づき、かたちにすることができます。この応募作品の背景には、歯や口の健康に関心を持った子どもたちと子どもたちと同じくらい関心を持った人々がおられたことを感じます。このコンクールの意義はまさにここにあります。
 いわゆる「上手な絵」を求めるのがこのコンクールの目的ではありません。人間が生きていく上で歯と口の健康の大切さは何物にも代えがたい大切なものです。その意識を子どもたちやその周囲の方々に持っていただくことこそがこのコンクールの存在意義です。応募作品からは、そうした歯と口の健康への高い意識を感じることができました。
 同時にコンクールである以上、どうしても作品には造形的な優劣をつけざるを得ません。しかし、すべての応募作品が出来上がる過程で、子どもたちが歯と口の健康に関する気持ちを高めたこと、毎日の行動に何かの変化があったことを大いに評価してやりたいと思います。
 最後になりましたが、このような場を提供いただいている関係者の皆様に感謝するとともに、これからも多くの子どもたちが歯と口の健康についての意識を高めることを期待しています。

神戸芸術工科大学 教授
行本 健一

 
図画の部
ポスターの部
は図画の部最優秀賞
知事賞
俵谷 香名

明石市立明石小学校

【優秀作品(知事賞)評】
 画用紙を縦や横に動かしながら、どのように描こうか考えたのではないでしょうか。大人の笑顔から、歯磨きの仕上げをしてもらっている子供のうれしさが伝わってきます。そんな2人の様子を描くことにより、ますますやさしい気持ちになり、周りがまるく包み込むように描かれているようにも感じます。子供がつくりだす形や色には、子供の気持ちが映し出されます。


教育長賞
篠原 昊志朗
加東市立滝野南小学校

教育長賞
髙野 文
明石市立明石小学校

県歯科医師会長賞
西村 陽莉
明石市立朝霧小学校

県歯科医師会長賞
川﨑 凛
明石市立朝霧小学校

県歯科医師会長賞
森本 藍
揖保郡太子町立斑鳩小学校

県歯科医師会長賞
阪田 舷誠
たつの市立揖西西小学校

県歯科医師会長賞
久木 朱里
加古川市立陵北小学校
 
県歯科医師会長賞
武内 怜央

たつの市立神部小学校
 
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