「兵庫県歯・口の健康に関する図画・ポスターコンクール」に兵庫県下の小学校から総数1,376点の作品応募をいただきました。かいている時の話し声が聞こえてきそうな作品とたくさん出会いました。子どもが困っている時にも、ちゃんと、周りの人に話を聞いてもらいながら楽しくかけたのではないかと想像しながら、楽しく作品をみました。
 子どもたちは、表したいことが見つかれば、すぐに絵に表せるかというと、そうではありません。表したいことをどのように表すか考える段階があります。紙を縦や横にしながら、表したいことをどのように表そうか、いっぱい悩みます。子どもたちにとって、表したいことを見つけることは、自分のしたいことを見つけることでもあります。この子が生きていくうえで必ず必要となる力とも言えます。
 「絵に表したいことを見つけること」は、子ども自身が行うのだということを、私たち大人が常に意識しておくことが重要となります。子どもがかきたくてかいている絵には、たくさんの可能性を感じます。
これからも、子どもが考える時間を大切にしてほしいと思っています。
 さて、審査では、歯をしっかりとみがく様子を大きく描いた作品や学校での歯科健診の様子などを描いたものが今年も多かったように思います。反面、歯医者さんでの自分の体験や子ども自身が考えたことをテーマにした作品が少なかったことは、少し寂しかったです。学校によってですが、全く同じ内容で、色調も同じという作品も出品されており、気になりました。もっと、個性を大切にして欲しいということです。この絵を描いた子どもは、最後に、自分の絵を見つめて何を思ったのだろうかと考えさせられました。
 また、大人が「この空間に、もっと何かがあればいいのに。」と思っても、子どもには完成していることも多いです。大人と子どもの価値は違います。そして、絵をかく時の感覚の使い方も違います。絵をかいている途中で子ども自身が考え、試行錯誤したことを「それでいいんだよ。」といっぱいほめていきたいものです。
最後になりましたが、このような場を毎年、提供しつづけて頂いている主催者の皆様方に感謝するとともに、今後も多くの子どもたちがこうした作品を作り続け、応募していただくことを願っています。
兵庫県図工部会
会長 岡田 修平
図画の部
ポスターの部
は図画の部最優秀賞
知事賞
大塚 葵

伊丹市立神津小学校

【優秀作品(知事賞)評】
 一人だけ困った顔をしている子どもが、ドーナッツを持っている。自分のことなんだろうか。子どものまわりには、きれいな歯をした人たちが、笑顔で立っている。手には歯ブラシを持っている。4人は家族なんでしょうか。そして、水色の手紙の中身が気になって仕方がない。
 このようにして私たちは子どもの考えた世界に入り込むことで、感性や想像力を働かせることの重要性を、子どもたちに伝えていくことができる。



教育長賞
井上 帆希
たつの市立揖西西小学校


教育長賞
藤原 茜
福崎町立田原小学校


教育長賞
上垣 由妃乃
明石市立錦浦小学校


県歯科医師会長賞
本間 輝人
たつの市立揖西西小学校


県歯科医師会長賞
長M 佐知
加古川市立野口北小学校


県歯科医師会長賞
長野 綾音
高砂市立中筋小学校


県歯科医師会長賞
筏 はな
佐用町立三日月小学校


県歯科医師会長賞
岩本 太一
三田市立けやき台小学校


県歯科医師会長賞
中田 凜音

太子町立太田小学校
 

佳 作
甲斐 亘
播磨町立播磨南小学校
 
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