学院学会 ~学び続ける大切さ~

在校生だけでなく卒業生や歯科医師も聴講

在校生だけでなく卒業生や歯科医師も聴講

 9月2日(日)兵歯会館5階ホールで第51回学院学会を開催しました。
 毎年この時期に学院学会が開催され、在校生だけでなく、卒業生、歯科医師会の先生がた、スタッフとたくさんのかたがたが聴講されます。
 学院学会では本校卒業生の講演が2題と、特別講演が1題というプログラム構成で行われました。
 1題目は、シティタワー神戸三宮歯科医院(中央区)ご勤務の岡林ちさと歯科衛生士(本校45回生)に「ストレスフリー歯科に出会って~笑顔・自身・勇気~」についてご講演いただきました。院内の治療では、歯科治療恐怖症や不安などがあり長期来院できなかった患者さんの主訴に寄り添った対応や苦痛を伴うことなく治療するために薬物を用いた行動調整をされており、歯科衛生士は緊急時の対応や使用する薬物の準備、管理、記録を徹底した上で全身管理補助をされていると話してくださいました。また、心のケアが必要な患者さんも多く、一方的な治療説明だけでなくコミュニケーション能力も必要だと話してくださいました。岡林ちさと講師が歯科治療や全身管理知識を身につけるために日々勉強し続けている姿勢を知り、学生も今まで以上に学校生活で勉学に励むことができる良い機会となったと思います。
 2題目は、済生会兵庫県病院(北区)ご勤務の黒宮久美子歯科衛生士(本校33回生)に「済生会兵庫県病院の歯科衛生士の役割」についてご講演いただきました。院内では、かかりつけ歯科で対応困難な顎口腔領域疾患の患者さんに対して歯科治療を行うだけでなく、カルテをチェックした上で他業種と連携をとり、口腔ケア、口腔機能回復サポートなどの口腔管理や、周術期口腔機能管理を行ったり、院内での勉強会や市民講座などで口腔のケアや誤嚥性肺炎についての講演をすることも歯科衛生士の役割だと話してくださいました。その中で患者さん側からがん治療などの不安や悩みを吐露されることも珍しくないため、そういった場合は臨床心理士、看護師、栄養サポートチームなどの他職種と連携を行い患者さんをどうサポートしていくか相談していくことが必要で、医科的・歯科的な技術や幅広い知識が必要不可欠になるため興味をもって勉強を続けていくことが必要だと話してくださいました。
 特別講演は、西田 亙にしだわたる糖尿病内科院長に「歯科界が気付いていない歯科衛生士の貴き力~サッパリの向こうには何があるのか」をご講演いただきました。西田講師は糖尿病と歯周病には密接な関わりがあるため糖尿病を治すには歯科医院へ来院し、歯科衛生士によるPTC やTBI を受けることが重要であるとご自分の実体験を踏まえながら歯科衛生士業務の大切さやすばらしさについてもお話くださいました。また今回は特別に、歯科における患者接遇について、学生2人が登壇しアクティブラーニングを交えながら学ぶこともできました。近い将来、歯科衛生士になる学生や私たち教員にとっても意欲をかきたてられるご講演でした。
 今回の3題の講演を聴講し、歯科衛生士の役割は多岐にわたるため、専門知識や技術を卒後も学び続け、さまざまな業種のかたとの連携を行いながら患者さんの治療をしていくことや患者さんに寄り添いながら心のケアをしていくことも必要だということを学生も知ることができました。今回、講演してくださった先輩がたの姿を見て、学生が卒後も日々学び続ける姿勢を身につけて欲しいと思っています。
(専任教員 奥田容子)