心身ともにすばらしく健康な未開種族の人たちは、いったいどのような食生活をしているのでしょうか。 


心身ともにすばらしく健康な未開種族の人たちの食生活

スイスの高地に住む人たち 葉緑素を多く含んだ牧草で育った乳牛からとったミルクやチーズなどの酪産物と、全粒ライ麦のパンが主な食品で、夏に少々の野菜をとる程度。ミルクやライ麦パンにはミネラルとビタミン類が豊富に含まれています。
アラスカのエスキモー 食事の大半は、鮭と海に棲む大型動物(アザラシ・クジラなど)の肉や内臓・組織・油など。それに海草や水辺の草木類やこけももなどの果物がごく少々。しかし成長期の子どもや妊婦には、滋養に富んだ魚卵が与えられます。
カナダのロッキー山中に住むインディアン はつかねずみやアメリカトナカイなどの野生動物が主な食料で、肉、内臓、骨、髄まで利用。夏に少々の植物をとる程度。
オーストラリア北部の原地人 大部分は付近の海でとれる魚貝類に依存し、その他にはタロイモ、ココナツなどが主な栄養源。 内陸部の原地人は、野生の鳥と野生の植物や果物を常食しています。
アフリカの原地人 甘藷、豆類と数種の穀類、それに川や湖でとれる魚、山羊・牛などの家畜、あるいは野生動物を食料としています。


食物の共通点
その土地でできるもの(動・植物とも)。
非常に効率よく徹底して食用に利用していること(動物なら、肉、皮、内臓、骨髄まで利用)。
数は少いが成分に富んだ食物を知っていて、それを得るために大変な努力をしている。
栄養的にはビタミン類、ミネラル類が豊富に含まれていること。白人の文明食と比べると、カ ルシウムや燐は数倍、鉄分・マグネシウムは数倍から数十倍、脂溶性ビタミンは十倍、水溶性ビタミンは数倍も多く含まれています。
動物性食品、植物性食品を適度にとっていること。菜食だけの種族はなく、動物性食品に偏っている種族は、生血でビタミンCを補給。



未開人の食物
未開人の食物は、必要以上の加工や合成物を添加したりすることのない、いわゆる自然食ですが、それに比べて、文明食は、精白パン、精白米、砂糖、甘味食品、缶詰食品などのように、おいしく、甘く、やわらかく、見た目にも美しく、輸送や保存しやすく、さまざまに手を加えられています。加工段階で、例えば、小麦を精白することによって、ビタミンBやEをたっぷりもつ胚芽を捨ててしまい、米も精白によって貴重な胚牙を捨ててしまっています。魚類や動物も加工や保存がむつかしいという理由で、栄養に豊んだ内臓や骨などは捨てられています。食物として重要な栄養の点から見ればたいへん不合理であり、かつもったいないことです。 

文明食が生まれた理由
人口がふえれば自然の産物だけで人々を養うことはできません。植物栽培や動物飼育をできるだけ短期間に多く生産する方法が考えられ、肥料や飼料にも意識的な加工や合成が行なわれます。その結果が、ビタミンやミネラルの少ない野菜やミルクや肉となっています。また、人口が都市に集中し、生産地と消費地が離れれば、輸送と貯蔵のために、荷の形態や保存の工夫が必要となってき ます。それが長期保存に耐える缶詰などの加工食品となっています。